今日は、「面接官からのシークレットアドバイス」ということで、今後就職活動を行っていく学生さんに対して、率直なご意見やアドバイスをお願いします。

面接官

率直に話しすぎるかもしれませんので、問題個所はカットしてくださいね。

承知しました! 

ではまず、学生さんが避けては通れない道「面接」について質問です。
面接で着眼するところは何でしょう?

面接官

そうですね。一律にこれ!とは言いにくいのですが、私が一番着眼するのはその人、その人物そのものが「いい人」…というか「人柄がよいか」ということですね。

そして二番目に見るとすると「元気があるか」「若者らしいか」ですかね。
非常に抽象的ではあるんだけれど、こちらが受け取る「印象」というものを大切にしています。

でも中には緊張しすぎて、元気もなにも…という学生さんもいらっしゃるのでは?

面接官

いますよ。緊張して、声が出なかったり、言葉もたどたどしくなったり。
でも逆に言うと緊張していない方がおかしい。学生から社会人になろうとする狭間にある上での緊張感があるかどうか。
自分がそれを大きく受け止めて、大人の世界に入ろうという覚悟をもって挑んでいるかどうか。
そういうものが感じられると、多少言葉に詰まったり、お決まりの手順(礼儀)を間違えたりすることはさほど気にならないものです。(まあ、私の場合は、ですけど)

むしろ、流暢に模範的回答をする学生より、一生懸命考えてしゃべる学生、自分の言葉で回答しようとしている学生の方が好感が持てたりもします。
実際、数年前に採用した人物は10の質問のうち2つくらいしかまともに答えられなかったんです。
でもなんだか心に響くというか、表情であったり、目の輝き、全体から感じ取られる雰囲気っていうのがよかったんですね。

誰のことか気になりますね。

でも、中には企業研究も面接の練習も一生懸命やってきて、流暢に話す学生さんもいますよね。
そういう学生さんは不利ということなんですか?

面接官

いいえ、そうではないです。
いろんな問いに対してすぐに答えられる人、自分の引き出しからすぐに答えを取り出すことができる人というのは頭がいい。頭の回転がいいわけなんですよ。
(学校の成績の話じゃないですよ。)
受け答えがスムーズ、会話のキャッチボールができるっていうのはものすごい強みです。物事に対する、判断力や対応力があるということなんです。

会社にはいろんな人材が必要です。生粋の技術者からコツコツと裏方の仕事をこなしてくれる人、プロジェクト管理者、マネージャー。
そんな人たちが集まって、会社は成り立っています。うまく言えないですけど、要は「一緒に働きたいと思えるか」というインスピレーションですかね。

たどたどしくても流暢でも、表情であったり、目の輝き、全体から感じ取られる雰囲気っていうものは伝わってくるんです。

ずばり、面接ではどのような質問をしますか?

面接官

それは、内緒です。

あらら、残念です…。

では、最後に、学生さんに向けて、「学生のうちにやっておいてほしいこと」をお話しください。

面接官

勉強ももちろん大切ですが、いろいろなものを見て、触れて、経験して、知見、見聞を広めてほしい。
アルバイトであったり、旅行であったり、疑似的な社会人体験をどんどんしてほしいと思いますね。そこにはいろいろな年代に人がいて、いろいろな考え方の人がいて…。
アルバイトだったら、理不尽なこともあれば、疑問、矛盾というものを目の当たりにすることもあるでしょう。
旅行だったら、知らない土地でいろいろな文化に触れ、いかに自分が物事を知らなかったかを痛感すると思います。
そこから、物事の解釈の幅広さ、摘要力、判断力、価値観といったものが培われていくんですね。

18歳から22歳くらいっていうと、感性も理解力も吸収力も一番能力の高い年代なんです。その時に体験したものは、社会人になってからの持ち物、礎(いしづえ)になる。
その時にどんな過ごし方をしたかで、その後の人生は大きく変わってくる。ぜひ、いろいろな経験を積んで、深みのある人間になってください。頑張ってください。